天天棋牌,天天棋牌手机版

News
2024.09.18
学部?学科
    #文化総合学科

今年も磨きました! 文総ちょうこくみがき隊(2)

9月1日(日)に文化総合学科の学生10名、教員1名、サポートスタッフ1名の計12名が、札幌彫刻美術館友の会と札幌大通公園ロータリークラブの皆さんと一緒に、大通公園での今年度2回目の彫刻清掃活動を行いました。10時から12時の約2時間で6体の彫刻の清掃と解説を行いました。

彫刻作品と清掃活動の内容については以下の通りです。

《若い女の像》
自身の娘であり女優の佐藤オリエをモデルにしたこの《若い女の像》は、1983年に佐藤忠良によって制作されました。この作品は第47回新制作展に出品され、翌1984年に、札幌で開催された第23回東洋東南アジアライオンズフォーラムを記念して、同組織委員会によって寄贈されました。佐藤は設置場所として自身が選んだ札幌市資料館の前庭「サンクガーデン」にこの作品が置かれたことに大きな喜びを感じていたといいます。実際に「札幌で育てられた私が、こんな良い所に作品を置かせてもらえ、大変うれしい」と語っています。作品は薔薇の季節にその美しさを一層引き立て、健康的で若々しい印象を与えます。

①.jpg
②.jpg

《若い女の像》を清掃する様子

《有島武郎文学碑》
《有島武郎文学碑》は、1962年に有島武郎記念会が彼の没後40年を記念して建立した石碑です。彫刻部分にはブロンズ、台座には花崗岩が使用されています。有島は、大正時代に刊行された日本文学雑誌の『白樺』に作品を掲載するなど白樺派を代表する作家であり、北海道の文学にも大きな影響を与えた人物です。石碑に刻まれているのは、有島が1918年に執筆した小説『小さき者へ』の最後の一節になります。
石碑や台座についた汚れと枯れ葉を水で流したあと、洗剤をつけたブラシで細部を洗浄し、ブロンズ部分をワックスで磨き上げました。大きい石碑でしたが、参加したメンバーで協力して隅々まで清掃することができました。

《奉仕の道》
《奉仕の道》は彫刻家の峯孝によって制作された作品で1982年10月6日に札幌ロータリークラブの50周年記念として建立された高さ82cmのブロンズ像です。この像は北国を代表する動物であるエゾシカ、エゾフクロウ、ハシブトガラス、エゾウサギをモチーフとしており、3匹の動物がフクロウに耳を傾けて、まるでエゾフクロウの話を聴いているかのような構図になっています。八角形の台座には北正面に「五十周年記念」と建立年月日、南正面に札幌ロータリークラブのマーク、左右の角に「真実かどうか」「みんなに公平か」「みんなのためになるかどうか」「好意と友情を深めるか」という「四つのテスト」と言われる言葉が刻まれています。
今回《奉仕の道》は解説のみで、清掃は行いませんでした。

《有島武郎文学碑》を清掃する様子
《有島武郎文学碑》を清掃する様子
《奉仕の道》
《奉仕の道》

《漁民の像》
《漁民の像》は田畑一作が制作した、網を引く二人の男性と、かごを持つ女性に寄り添う子どものブロンズ像です。ある日の漁民の一家の様子を余すところなく彫刻で伝えています。厳しい風雪に耐えながら北海道の開拓と漁業の発展に寄与してきた先人達を敬う気持ちが込められています。
この像は、北海道漁協婦人連絡協議会が、1968年の北海道開拓100年と北海道魚協婦人部の創立10周年とを祝って、1969年5月9日に建立しました。像全体に三角形の安定感があるようにという北海道魚協婦人部員の希望を取り入れて制作された作品です。像の制作にあたって、婦人部員3万余名が、一人300円以上の献金に務め、目標を上回る金額が集まったそうです。

《黒田清隆之像》
《黒田清隆之像》は1967年に北海道開拓100年(1968年)を記念して、北海道開拓功労者顕彰像建立期成会により、《ホーレス?ケプロン之像》と並べて建てられました。作者は雨宮治郎です。
黒田は「北海道開拓の恩人」として知られており、1874年から1881年にかけて開拓使長官として北海道や近代都市札幌の発展の基礎を築きました。アメリカ人ケプロンらを招いて、洋式農法の導入、官営工場の設置、炭鉱の開発、鉄道?道路の建設や屯田兵の創設などを行ったことが、彼の主な活動とされています。
今日の札幌が大きく飛躍できているのも、黒田の功績によるものと言っても過言ではないでしょう。

《漁民の像》
《漁民の像》
《黒田清隆之像》
《黒田清隆之像》

《ホーレス?ケプロン之像》
この像も、《黒田清隆之像》と同様、北海道開拓功労者顕彰像建立期成会が1967年に北海道開拓100年を記念して建立しました。作者は野々村一男、構想は加藤顕清です。高さ6mもの像の本体はブロンズで、台座部分は花崗岩で作成されています。モチーフとなったホーレス?ケプロンはアメリカ合衆国の農務長官を務めたのち66歳にして来日し、開拓顧問として北海道開拓に大きく貢献した人物です。台座の後ろにはホーレス?ケプロンの功績を述べた碑文があります。
今回はケプロン像の清掃は行わなかったのですが、解説をさせていただきました。実際に近くで見てみると、とても大きく迫力がありました。

《ホーレス?ケプロン之像》
《ホーレス?ケプロン之像》
集合写真
集合写真

今年度2回目の彫刻清掃となりましたが、1回目の清掃時とは打って変わって天気が良く気温も高い日だったので、水もカラッと乾きやすい彫刻清掃にピッタリの1日となりました。彫刻それぞれの建設エピソードや歴史を学び、思いを馳せながら清掃して彫刻の美しさが増すように感じられ、心もサッパリとした気分になりました。
札幌は初秋を迎え、次第に冬に向かいますが、雪が溶けて清掃活動が再開される時期になったら、ぜひまた参加させていただきたいと思っております。今回も札幌彫刻美術館友の会のみなさまのご厚意で素敵で貴重な体験ができました。あらためてお礼申し上げます。

(文責:藤女子大学文学部「文総ちょうこくみがき隊」一同)