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2025.07.15
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    #文化総合学科

文総ちょうこくみがき隊「本郷新記念札幌彫刻美術館 見学記」

6月22日(日)、文総ちょうこくみがき隊メンバー数名で宮の森にある本郷新記念札幌彫刻美術館を訪れ、彫刻にまつわる多彩なプログラムを体験しました。
スケジュールは、山内壮夫展の鑑賞から始まり、学芸員によるスライドトーク、彫刻の清掃体験、館長の案内によるアトリエ見学、ビンゴゲーム、そして最後には近くのカフェでひとときを楽しむという充実したものでした。

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① 山内壮夫展 見学
今回の展覧会は、山内壮夫の没後50年を記念して開催されたもので、50点以上の作品が展示されていました。山内の作品は、生涯を通して写実的な表現から半抽象的なスタイルへと変化しており、その軌跡をたどることができました。中でも、ある作品はピカソのゲルニカを想起させ、強い反戦の意志と平和への願いが込められているように感じられました。

② 学芸員によるスライドトーク「山内壮夫入門」
山内壮夫の展覧会はこれまで数えるほどしか行われておらず、今回がわずか3回目とのことでした。そのため、図録の制作にあたっては旭川市彫刻美術館など様々な場所から資料を集め、未発表の作品も新たに見つかるなど貴重な調査が行われたそうです。
山内は、札幌第二中学校(現札幌西高等学校)、東京高等工芸学校(現千葉大学工学部)で、本郷新の後輩にあたります。また、東京ではいっしょに暮らし、後には本郷新と新制作派協会彫刻部を創設し、ともに彫刻制作に励みました。このように二人は深い交流を持っていましたが、山内の方はこれまであまり注目されてこなかったことに驚きました。 
また、山内が彫刻は公共空間にあってこそ意味があるという信念を持ち、多くの建築物とコラボレートしながら、作品を制作していたことも印象に残りました。

③ 彫刻の清掃体験会
札幌彫刻美術館友の会の高橋会長の「彫刻は触って楽しむもの」という言葉を受け、実際に作品に触れながら清掃を体験しました。手で触れてみることで、筋肉や骨の造形がよりリアルに感じられ、視覚だけでは捉えきれない彫刻の魅力を実感しました。触れることによってこそ、彫刻の「真髄」に迫れるのだと気づかされました。

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④ 館長?吉崎氏の案内によるアトリエ見学
続いて、本郷新のアトリエを見学しました。大小さまざまな作品が所狭しと並び、吉崎館長が紙芝居形式で楽しく解説してくださいました。特に印象的だったのは、本郷新が作品によって「手」を意図的に大きく造形したというお話です。これを聞いたうえで、稚内公園にある《氷雪の門》を見ると、その大きな手が当時の樺太に住んでいた人々の悲しみや悔しさを受け止める存在として表現されているように思えました。

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⑤ アトリエでのビンゴゲーム
アトリエ内で展示されている作品の「手」の部分だけをクローズアップした写真を見て、作品名を当てるビンゴゲームを行いました。本郷新の「手」の表現にはさまざまな形や大きさがあり、それらを見分けながらビンゴを進めるのはとても楽しい体験でした。ゲームをクリアした景品として本郷新の作品などがデザインされた缶バッチをいただきました。

⑥ カフェでのティータイム
最後は美術館近くにある「銀珈琲店」でパンケーキをいただきました。カステラのようなふわふわした食感のパンケーキに、はちみつとクリームがよく合っていて、とても美味しかったです。ケーキを楽しみながら、山内や本郷の作品について語り合いました。
一日の締めくくりとして、心も体も温まるひとときとなりました。

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全体を通して、彫刻という芸術に多角的に触れる貴重な一日となり、美術館の新しい魅力を発見することができました。

(文総ちょうこくみがき隊 I.K.)