父が糖尿病を患っており、お見舞いの時に管理栄養士の先生の栄養指導を見て、薬だけでなく食事も疾病の治療に必要なことであると知り、医学と料理に興味があったので管理栄養士を目指すようになりました。祖母と母が藤女子の出身で、私自身も中高から藤女子だったため安心感があったことや、オープンキャンパスに参加した時に優しい先生ばかりでとても雰囲気が良かったことから藤女子大学を第一志望に考えました。
また、藤女子大学の食物栄養学科では3年生で臨地実習に行くことも特徴の一つで、4年生は国家試験の勉強に集中でき、進路をゆっくり考えられるところに魅力を感じて志望しました。
私が所属する調理科学研究室では、石狩市と連携し石狩の野菜を使ったレシピを考案して市民の方々に向けた料理教室を実施しました。もともと料理が好きで、調理科学の知識を取り入れて料理してみたいと思い、この研究室に入りました。作りやすい、美味しいだけでなく、食材の調理特性や栄養も考慮してレシピを考案するのが大変でした。栄養学の知識を活かしたレシピの作成は、食物栄養学科ならではだと思います。
実際に料理教室を行い、参加していただいた方に「美味しかったよ、家でも作ってみようと思った」という感想をいただき、参加者の反応をダイレクトに感じられることでとてもやりがいを感じました。
「食品実験」が特に印象に残っています。ジャムはなぜ固まるのかについて様々な条件で試したり、カラメルはどのように出来るのかを実験で確かめたりします。食品に含まれる成分について、実験を通して理解を深めることができます。身近な食品でどのような化学反応が起きているのか調べるのはとても楽しいですね。
また、実験ごとにレポートを作成することで実験内容を振り返ることも大切です。最終回ではグループごとに実験のまとめの発表があり、同じ実験でも異なる考察を知ることでより学びを深めることができます。食品成分や機能性については化学の内容が多くて難しいですが、実験の内容と関連づけることで知識が定着しやすく、国家試験の勉強にも役立つと思います。
大学生活を通じてプレゼンテーション能力が向上したと思います。もともとは大勢の人の前で話すことが苦手でしたが、実験?実習の報告会やゼミ活動で発表する機会が多く、だんだんと人前で話すことが怖くなくなりました。
また、他の人の発表を聞くことでより良いプレゼンテーションのスキルを学ぶこともできました。管理栄養士は患者さんや地域住民の方など、他者との対話が多い職業です。コミュニケーション能力だけでなく、行動変容を促すためにはより人を惹きつけるようなプレゼンテーションのスキルが必要となるので、大学生のうちに様々な人と関わったり話したりすることは大切だと思います。
食物栄養学科の魅力は、クラスメイトの交流が盛んで和やかであることや、先生との距離が近いことだと思います。実験や実習が多いのでクラスメイトと関わる機会もたくさんあって、皆で頑張ろうという雰囲気です。一緒にレポートを書いたり、問題を出し合ったりして勉強するモチベーションも上がります。少人数のため先生とも話しやすく、進路や勉強方法だけでなく小さなことでも相談しやすいことも魅力に感じています。また、キャリア支援についても充実していると思います。
「食」について勉強することは、これからの生活をより豊かにするだけではなく、自分や大切な人の健康を守ることにもつながることだと実感しています。
大学入学当初はどのような管理栄養士になりたいか具体的には分からない状況でしたが、臨地実習を通して医療の現場で患者さんの回復を栄養面でサポートしたいと強く思うようになり、病院の管理栄養士を目指し、春からは砂川市の総合病院で働くことが決まりました。社会人になるまでに国家試験や就職後のために勉強することはもちろんですが、旅行に行ったり趣味の野球観戦を楽しんだり、思い出もたくさん作りたいと思います。
また、入職後は各疾患についての専門的な知識を増やして病態栄養専門管理栄養士などの資格を取り、患者さんに寄り添った栄養ケアができるように勉強したいです。
管理栄養士は栄養に関する唯一の国家資格であり、今後様々な分野で必要とされる職業です。資格があるとこれからの人生で大きな武器になると思います。
藤女子大学では管理栄養士になるための勉強をする環境が充実しています。受験勉強は大変ですが、乗り越えれば一生役立つ学びや出会いがあります。
(学年、掲載内容等は2024年8月取材当時)